2021年3月、HUIONよりkamvas pro 4Kシリーズが発表されました。
さてこの記事ではペンタブ事情通である僕がkamvas pro 16(4K)について
- そもそも4Kとは?4Kのメリットって?
- 他社の最新モデルと比べて性能的にはどうなの?
といった点を深掘りしていこうと思います。
そもそも4K(=UHD)とは?
4Kとは液晶がヨコ3840×タテ2160個のドットでできているということです。
現在最も普及しているフルHD(1920×1080)モデルと比べると、かなりきめ細かいモデルということになります。
4K液タブはイラスト制作的にどんなメリットがある?
- より大きな画像を画面内に100%の大きさで収められる(絵全体を見ながら細かい作業ができる)
- グラデーション(色の移り変わり)がよりなめらかに表現される
- イラストソフトのメニューが小さくなることで作業領域が広がる
とくに16インチのような小型液タブだと③の恩恵がデカいと思います。
kamvas pro 16 4Kには2種のラインナップがある
- 通常版 = まあまあハイスペック(詳細は後述)。
- PLUS版 = 通常版よりさらにハイスペック。通常版+¥10,000
以下ではこkamvas pro16 4kの2種と他社製品を比べてわかったkamvas proの性能を紹介します。
kamvas pro 16 4Kの性能(他社モデルとの比較)
と気になったので4K以外の性能について以下の他社製品と比べてみました。
- wacom「cintiq pro 16」
- XP-PEN「innovator 16」
比較表はこの記事の後ろに載せますが、まずは結論から。
これらと比べてKAMVAS PRO 16 4Kには以下のような特徴がありました。
1・アナログ感がある
kamvas pro 16 4Kは
- 表面ガラスが薄い(フルラミネート)
- ペンの追従性能も悪くない(最高25ms)
のでアナログっぽい感覚でお絵かきを楽しむことができます。
ただ、このへんの性能は他社の最新上位モデルも満たしているところなので、HUIONが特別優れているというわけではありません。
kamvas pro 16 4K付属のペンは新型に。沈み込みがなくなった
アナログ感について触れておきたい点がもうひとつ。
HUIONのレビューではたまに
というレビューが見られます。
個人的にはkamvas pro 22をレビューした2019年の時点でも気にならなかったんですが、そこからペンの世代が新しくなり沈み込みがさらに改善されたようです。
2・PLUS版はトップクラスの色鮮やかさ
PLUS版は色域が広く(sRGBを145%)、他社と比べ頭一つぬけた性能をしています。
一方通常版はsRGBカバー率120%ということで、こちらは他社とおそらく同レベル。
PLUS版の方が画面が暗い
wacomのcintiqという液タブにはまれに「画面がくらい」とのレビューがあるんですが、PLUS版はそのcintiqを下回る明るさです。
- cintiq 16 = 210cd/m2
- kamvas pro通常版 = 220cd/m2
- kamvas pro PLUS版 = 200cd/m2
100件以上あるレビュー中で明るさに対する不満は2件だけなので些細な問題そうですが、作画環境が明るすぎる人は要注意です。
明るくもできた方が色んな環境に対応できてよりよいよね。
3・本体にショートカットボタンが一切ない!
kamvas pro 16 4Kには
- XP-PENのように本体にショートカットボタンやホイールがない
- ワコムのような「オンスクリーンコントロール」もできない
ので、本体のみで使えるショートカットはペン横についている2つだけです。
ショートカットキーがないので見た目はスッキリ。
ただ一般的な液タブ本体のショートカットボタンって微妙に少ない(16インチだと8個が多い)ので、
むしろ無い方が誤タップもなくなるしうれしい!
なんて人もいて、実はショートカットマスターほど本体のショートカットボタンは不要だったりします。
たぶん、HUION側も「4Kなんて上級者向けを買う人はショートカットデバイスくらい持っとるやろから本体のショートカットなんて使わんやろ!」みたいな感じで省略したのでは?と思います・・・。
ちなみにHUION公式からも最近ホイール付きショートカットデバイスが出ました。
4・4K液タブとしては格安
同じ4K 16インチ液タブのcintiq pro 16と比べると価格が¥50,000ほど安いです。
機能や性能面からみてもkamvas pro 16 4Kのコスパはよい
kamvas proになくてcintiq proにあるメリットとしては
- タッチ操作ができる
- オンスクリーンコントロールができる
という点が挙げられますが、この2つに¥50,000の価値があるかというと・・・。
加えて、先ほどお話ししたとおりkamvas proはPLUS版だと色域がトップクラスに広いので色を塗っているときの満足度が高くなります。
kamvas pro 4Kシリーズと他社の4Kモデルや16インチモデルの比較表
kamvas pro 16 4K |
Kamvas pro 16 4K plus |
cintiq pro 16 | innovator 16 | |
解像度 | 4K | 4K | 4K | FHD |
液晶方式 | IPS | IPS | IPS | IPS |
輝度 | 220cd/m2 | 200cd/m2 | 250cd/m2 | 250cd/m2 |
コントラスト比 | 1000:1 | 1200:1 | 1000:1 | 1200:1 |
視野角 | 178° | 178° | 176° | 178° |
色域カバー率 | sRGB 120% | sRGB 145% | CIE 1976 adobeRGB 90% |
adobeRGB 92% sRGB 125% |
応答速度 | 25ms | 25ms | 25ms | 16.4ms |
タッチ操作 | × | × | 〇 | × |
ショートカット | × | × | オンスクリーン コントロール |
8個(+ホイール2個) |
フルラミネーション | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
※各項目の意味が分からなければペンタブ用語大辞典も参考にしてみて下さい。
【まとめ】10万円で4K液タブが手に入る時代になってしまった
ワコムの4Kという牙城に風穴を空けたkamvas pro 4K。
作業環境が明るすぎないのであればデメリットもなく、スペック的にも申し分ないので現状のペンタブに物足りなさを感じている人は検討してみてはいかがでしょうか。
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